急性 骨髄 性 白血病 治療。 成人急性骨髄性白血病|がんinfo|IMICライブラリ|一般財団法人 国際医学情報センター(IMIC)

急性骨髄性白血病

急性 骨髄 性 白血病 治療

急性白血病とは 急性白血病には、急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病がありますが、大人では4対1の比率で骨髄性が多くなっています。 急性白血病の場合、骨髄内に白血病細胞が充満し、正常な血球を作ることができなくなります。 そのため、赤血球の不足から貧血になり、息切れや動悸、倦怠感などが起こり、顔色が青くなります。 また、血小板の減少で出血しやすくなり、歯茎からの出血や鼻血、消化管からの下血や吐血、時には脳出血を起こすこともあります。 さらに、白血球が減少するため、感染しやすくなり、高熱が続いて抗生物質を使ってもなかなか治らない、だるいなどの症状があります。 さらに、進行すると脾臓や肝臓に白血病細胞が溜まり、腫れてきます。 しかし、大野さんによると「最近は、健康診断や血液検査で発見されるケースが多くなったので、臓器の腫れが出るほど進行した例はまれになってきた」そうです。 急性骨髄性白血病 まず完全寛解を目指し、さらに治癒を 白血病には、進行度による分類はありません。 診断した時点で全ての症例が全身に拡がっている4期に相当するからです。 診断後は、まず完全寛解を目標に強力な化学療法を実施、完全寛解に入れば治癒に向けた治療が行われます。 これが100億個以下になると、正常な細胞が増殖できるようになり、症状も消えます。 初発時には、まずこうした完全寛解を目指して強力な治療が行われます。 大野さんによると、化学療法はイダマイシン(一般名イダルビシン)またはダウノマイシン(一般名ダウノルビシン)とキロサイド(一般名シタラビン)の2剤併用療法が中心です。 イダマシシンは3日間、キロサイドは1週間投与し、計7日間化学療法を行うのが標準的です。 この間、白血球が極端に減少するので、感染を防ぐために無菌室などで治療が行われます。 最近ではG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)を使って白血球の数を回復させることができるようになり、感染対策は格段に向上しました。 これによって、約8割の人は完全寛解に入ります。 完全寛解に入ったあとは、さらに治癒を目指して寛解後療法が行われます。 なお完全寛解に入らない場合は、化学療法を繰り返したり、治験中の薬などさまざまな治療法を試すことになります。 一方、65歳以上の高齢者の場合は、体力的に強力な寛解導入療法を行うことは難しくなります。 そこで、「やや弱い化学療法」を行って、寛解を目指すことになります。 さらに70歳以上になると、患者さんのQOL(生活の質)を重視し、延命をはかる治療が中心になります。 これをさらに駆逐するために、強力な地固め療法や外来通院で化学療法を行う「維持・強化療法」が行われます。 ただし、最近は「大人の場合、強力な地固め療法を3コース行えば、維持・強化療法は行わなくてもよい」という傾向にあります。 地固め療法では、キロサイドの大量療法を3コース行います。 1コース5日間で、1カ月あけて繰り返すのが一般的です。 このときに使われるキロサイドは「寛解導入療法で使う量の20倍」という超大量です。 そのため、「患者さんにとってはきつい治療で、寛解に入った人の3パーセントぐらいが、治療関連死で命を落とす」といいます。 これぐらい強力な治療を行わないと、治癒に持ち込むのは難しいのです。 こうしたハイリスク群の人は、地固め療法の段階で造血幹細胞移植を行うのが、現在では標準になっています。 「造血幹細胞移植は、最強の寛解後療法です」と大野さんは語っています。 ただし、造血幹細胞移植を行うには、50歳以下で患者さんと白血球の型(HLA)が一致する造血幹細胞を提供してくれるドナー(移植提供者)がいることが条件になります。 造血幹細胞移植には、骨髄移植(ドナーから骨髄の提供を受ける同種骨髄移植と治療前に自分の造血幹細胞をとっておいて移植する自家造血幹細胞移植がある)と、ドナーの腕の静脈から造血幹細胞をとって移植する末梢血幹細胞移植、へその緒の血液に含まれる造血幹細胞を移植する臍帯血幹細胞移植があります。 現在、標準的な治療とされているのは、骨髄移植と末梢血幹細胞移植です。 造血幹細胞移植を行うためには、移植前に強力な放射線治療や化学療法を行い、白血病細胞や正常細胞も含めて骨髄を空っぽにする必要があります。 それに耐えられるだけの体力が必要なので、年齢的には45歳から50歳以下の人が対象になっています。 大野さんによると「完全寛解に入った人のうち、実際に造血幹細胞移植が受けられる人は3分の1ぐらい」だそうです。 また、条件に当てはまれば、化学療法ではほとんど治癒を期待できない再発した人でも、造血幹細胞移植が受けられます。 ただ、造血幹細胞移植には移植したドナーのリンパ球が患者さんの体を異物として攻撃する「移植片対宿主病」(GVHD)があります。 ひどくなると命にも関わる現象です。 「もともとハイリスクの患者さんが対象なので、造血幹細胞移植の成功率は5割ぐらい」。 一方、化学療法が進歩しているので、ハイリスク群で造血幹細胞移植を行わない場合でも、2割ぐらいは化学療法で長期生存が可能になっているそうです。 また、最近は「ミニ移植」という方法も研究されています。 移植片対宿主病はひどくなると命にも関わりますが、軽く起こると逆に白血病細胞を殺すこともわかってきました。 そこで、こちらの免疫的な効果に比重をおいて造血幹細胞移植を行うのがミニ移植です。 いわば、免疫反応の狭間を縫って行う治療なので専門的な技術が必要ですが、通常の移植より化学療法や放射線治療による前処置が軽くてすむので、臓器に障害のある人やより高齢の人にも適応可能な治療法として期待されています。 しかし、その効果はまだ十分に検証されていないので、「標準治療になるかどうかはまだ不明」(大野さん)だそうです。 しかし、現在ではきちんと化学療法を行えば、60歳未満の急性骨髄性白血病の場合、8割が完全寛解に入り、その35パーセント以上が治癒しています。 大野さんによると、「完全寛解の状態が3年以上続けば再発の危険はほとんどなくなり、5年たてば治癒したといえる」そうです。 急性前骨髄球性白血病 分子標的治療の草分け、レチノイン酸 [急性前骨髄球性白血病の標準治療] 急性骨髄性白血病は、化学療法や造血幹細胞移植など、厳しい治療が行われるのが一般的です。 その中で、例外ともいえるのが急性前骨髄球性白血病です。 これは、造血幹細胞からもう少し成長した前骨髄球が白血病細胞化したものです。 発見が遅れると1週間から10日ほどで命を失うことがある怖い病気です。 しかし、このタイプの白血病には、特効薬があります。 「レチノイン酸」というビタミンA誘導体です。 急性前骨髄球性白血病では、17番の染色体と15番の染色体にある遺伝子が融合して融合遺伝子を作っており、この遺伝子が作る異常なタンパク分子が前骨髄球の分化・成熟を阻止していると考えられています。 レチノイン酸はこの異常タンパク分子を引き離して前骨髄球を成熟させるとみられ、分化誘導療法と呼ばれています。 ビタミンAの一種なので、口が乾いたり皮膚が赤くなる程度で、通常の抗がん剤のような強い副作用がなく、飲み薬である点が大きな利点です。 白血病細胞が多い場合には、レチノイン酸に加えて急性骨髄性白血病と同じ化学療法を少し併用しますが、これで90パーセント以上が完全寛解に入ります。 完全寛解導入後は、イダルビシンやキロサイドなどによるやや軽めの地固め療法(超大量ではない)を3コース行って終了となります。 「現在、これで7割近い人が治っています」と大野さん。 再発した場合も、亜砒酸が有効であり、骨髄移植が行われることもあります。 これらの治療法を全て含めると8割以上が治っており、現在白血病の中では子供の白血病を含めても最も治療成績のいいタイプになっています。 現在、がん治療で分子標的治療が注目されていますが、レチノイン酸はその草分けといえます。

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急性骨髄性白血病の治療期間はどのくらい?

急性 骨髄 性 白血病 治療

急性骨髄性白血病の標準治療 急性骨髄性白血病の治療では、骨髄中の白血病細胞を死滅させることで速やかに患者さんの骨髄機能を回復させることを目標に、多剤併用 を行っています。 急性骨髄性白血病の好発は50代ですので比較的高齢者に多いわけですが、若年者よりも化学療法に対する が低く、治療しているうちに急性骨髄性白血病以外の疾患にかかって死亡するリスクが高いので、治療の方針は若年者と高齢者で分けて考えられることが多いです。 ここでは若年者の治療アルゴリズムを示します。 寛解導入療法ではアントラサイクリン系の抗生物質と (代謝拮抗薬に分類される抗腫瘍薬で、DNAを複製する際に必要となる物質と拮抗した機能をすることで抗腫瘍効果を示します)を組み合わせた治療法です。 寛解導入療法とはその名の通り、根治を目指すというよりもむしろ症状を抑え、寛解状態にすることを目標にしています。 流れとしては、先ほど述べた を7~10日投与することで白血病細胞と自身の血液細胞も一緒に減少します。 減少していったままでは免疫が機能せず、易感染性になってしまいますので、患者さんの体の中で自然と白血球が増えていくのを待つことになります。 この期間は大体4週間程度とされていて、この間は陽圧室という、無菌状態に近いようにした部屋で過ごすことになります。 陰圧室は部屋の空気が外部に漏れないようにすることで空気感染する細菌が院内外へばらまかれないようにするために用いられます。 なるべく再発を抑える目的で行われる地固め療法は、大量シタラビン療法やシタラビン+アントラサイクリン系の などを行い。 地固め療法を続けていくうちに再発してくることがあります。 再発してしまった場合は再寛解導入療法を行い、十分な効果が得られなかった場合は同種 移植を考慮します。 再発してしまった場合は再寛解導入療法を行ったり同種造血幹細胞移植をもう一度検討したりすることになります。 ドナーがいる場合は同種造血幹細胞移植の適応になります。 救援療法では地固め療法でも用いられた大量シタラビン療法や、そのほかにゲムツズマブや という薬を用いた抗CD33 療法が行われます。 抗CD33抗体療法では急性骨髄性白血病の白血病細胞に しているCD33という受容体に結合する抗CD33抗体に対する物質を抗がん剤として投与します。 用いる抗がん剤は抗CD33抗体に結合しているため、この抗がん剤はCD33を発現している細胞にしか効果を示しません。 CD33を発現している細胞とは白血病細胞ですね。 薬剤がCD33を介して白血病細胞の中に取り込まれると、白血病細胞のDNAを破壊し、細胞を殺してしまいます。 これによって抗腫瘍効果を示します。 こういった背景があるので、抗CD33抗体療法は現在難治性や再発例の急性骨髄性白血病にのみ認可されています。 救援療法の後に同種造血幹細胞移植を考慮することもあります。 急性骨髄性白血病に対する化学療法適応基準 急性骨髄性白血病では治療のために強力な化学療法を行います。 化学療法によって二次的な死亡リスクが生じてしまっては元も子もないので、以下に示す基準に基づいて慎重に判定が行われています。 特殊な急性骨髄性白血病に対する治療 今まで述べてきた治療のアルゴリズムを用いない急性骨髄性白血病の型があります。 それはM3に分類される急性前骨髄球性白血病です。 急性前骨髄球性白血病ではオールトランス型レチノイン酸(ATRA)を用いた分化誘導療法というものを行います。 急性前骨髄球性白血病では(これに限らず急性白血病すべてに当てはまりますが)、造血幹細胞からの分化ができなくなることで未熟な白血病細胞が大量に増殖する病態を呈していました。 ATRAによって分化できた前骨髄球は正常に分化した場合と同じ一生をたどるとされています(好中球として成熟し、使命を果たし寿命が来た時に死にます)。 この治療のことを分化誘導療法と呼びます。 再発した場合は のアルゴリズムに従う形で、同種造血幹細胞移植を検討します。 出典 病気がみえる Vol. 5 血液 第二版 白血病の基本情報.

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急性骨髄性白血病 (AML) 寛解導入療法の実際と治療効果判定

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造血幹細胞の移植は、 HLAという白血球の血液型が一致することが条件です。 HLAが一致するドナーを探す流れは、血縁者、骨髄バンク、さい帯血バンクの順です。 HLAが一致する確率は兄弟の場合、4人に1人です。 一致する血縁者がいない場合は、骨髄バンクに登録します。 骨髄バンクに登録することで、骨髄や末しょう血のドナーを探すことができます。 非血縁者でHLAが一致する確率は数百分の1から数万分の1と言われていますが、ドナーの数は年々増加しており、年間1,300件以上、骨髄バンクを介した移植が行われています。 骨髄バンクでもドナーが見つからない場合は、さい帯血バンクに登録してドナーを探します。 最近では、さい帯血バンクまでいくと、移植を希望する患者さんのほとんどにドナーが見つかります。 造血幹細胞移植を行う際、まず大量の抗がん剤と全身の放射線照射(前処置)を行い、体の中にある白血病細胞と正常の血液細胞をゼロになるまでたたきます。 そのうえで、ドナーの方から採取した造血幹細胞を点滴で移植します。 すると2? 3週間で移植した造血幹細胞が骨髄で正常の血液を作るようになります。 正常な白血球が増え、一定の数に達した状態を 生着(せいちゃく)と言います。 造血幹細胞移植は、このように悪い白血病細胞も良い血液細胞も根絶やしにして空っぽにしてから、ドナーの細胞を移植して生着させて、正常な状態にする治療法です。 移植の際は、前処置として大量の抗がん剤と放射線を使うため、55歳ぐらいまでの体力のある患者さんが対象になります。 感染症の他に、生着後に起こる GVHDと呼ばれる免疫反応も、重大な合併症です。 GVHDは、ドナーのリンパ球が患者さんの組織(皮膚や肝臓、腸など)を異物とみなし、攻撃することで起こります。 患者とドナーのHLAを合わせて移植しても起こる場合があります。 GVHDが起きると皮疹ができたり、黄疸が起きたり、あるいはひどい下痢になったりするなど様々な症状が生じます。 ただし、この免疫反応は悪いことばかりではありません。 体の中に残った白血病細胞も同時に攻撃し、やっつけてくれるからです。 これを GVL効果と呼びます。 この反応は非常にメリットがあるものです。 なお、GVHDの予防、治療には、免疫抑制剤やステロイド薬を使います。

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